KVMからKVM-Dockerへの移行(2025.07.22)
法政大学理工学部創生科学科 小林一行研究室では、これまでKVM(Kernel-based Virtual Machine)上に複数の仮想サーバを構築し、php、Apache、nginx、Tomcat、Bind、Postfix、Dovecot、MySQL、MariaDB などを用いたモノリシック型サーバ環境での運用を行ってきました。しかし、各ソフトウェアに対するセキュリティ対応に伴うバージョンアップでは、サービスアプリケーションのバージョン依存関係の考慮など、保守作業が次第に煩雑化・複雑化してきたため、Dockerによるマイクロサービス構成への移行を進めました。現在では、複数サービスのオーケストレーションを伴うDocker環境を構築し、安定した運用を実現しています。
KVMサーバの用途により構成は若干異なりますが、標準的な構成として、各KVMホスト上にDockerコンテナを展開し、以下のサービスを提供しています。
基本サービス
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DNS/Reverse Proxy:Traefik proxy + Bind + Let's Encrypt + OpenDKIM
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メールサーバ:Mailcow
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メーリングリスト:Mailman3
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Webサーバ: Apache httpd
加えて、以下のDockerコンテナを作り、KVMサーバの用途に応じて運用中です:
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ファイル共有:Nextcloud
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全文検索: Elasticsearch(Nextcloud用)
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Office互換環境: Collabora(Nextcloud用)
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Git/Dockerリポジトリ:Forgejo
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Webメール : SnappyMail
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グループウェア: Gsession
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Webサイト管理:Joomla
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軽量LLM環境: Ollama
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対話WebUI: WebUI(Ollama用)
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画像生成AI: Automatic1111(Stable Diffusion)
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TeX環境: Overleaf-toolkit
また、複数のKVMホストの統合的な死活監視には、Dockerコンテナ版のZabbixを利用し安定運用を行っています。
ようこそ小林一行実験室へ
小林一行研究室では、
ソフトとハードの融合による新たなシステムの研究開発
をテーマに、
・自律ロボットに関する研究
・新システムの提案
・センサアクチュエータの開発
・スポーツ計測応用
・ネットワーク・ソフトコンピューティング
に関する開発を行っています。
CIFAR-10をMATLABで読み込む方法
ディープラーニングによく使われている物体認識用のデータ・セットにAlexNetを提案したAlex Krizhevskyさんが収集・公開している、CIFAR-10というものがあります。
The CIFAR-10 dataset
https://www.cs.toronto.edu/~kriz/cifar.html
このCIFAR-10には計60000枚のラベル付けされたピクセルデータが提供されており、ディープラーニング技術の習得に大きく役立ちます。詳細は他にも解説しているブログなどがあるので、そちらに譲りますが、このCIFAR-10にはPython用とMATLAB用のピクセルデータがあります。Python用のものはよく他の方々も解説していますが、MATLAB用のものはあまり記事がありません。
そこで今回、CIFAR-10のピクセルデータをJPGファイルとして保存するシンプルなMATLABスクリプトを作りましたので公開します。JPGとして保存するためのスクリプトではありますが、解説も載せておくので、MATLABプログラミングに慣れた方であれば、読めば大体ピクセルデータがどう格納されているかわかると思います。